医療福祉の労務情報
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文書作成日:2026/05/31
人事労務Q&A 〜産前産後休業と年次有給休暇の関係〜

今回は、産前産後休業に入る職員の年次有給休暇に関するご相談です。

Q
今月の相談内容

 当院には、まもなく産前産後休業(以下、産休)に入る職員がいます。
 年次有給休暇(以下、年休)が、数日残っているのですが、この年休を産休中に取れるのでしょうか?

A-1
ワンポイントアドバイス

 産休中は、労務の提供義務が消滅しているため、年休を取得することはできません。
 ただし、産休前に年休の請求があった場合には、原則として産前休業期間に限り、請求があった日に年休を取得することができます。

A-2
詳細解説
1.産休と年休の関係

 産休は、妊娠中・出産後の母体保護を目的とした労働基準法に基づく休業制度です。産前休業は出産予定日前6週間(多胎妊娠の場合には14週間)であり、産後休業は出産日以後8週間です。

 産前休業は職員の請求に基づいて与える義務があり、産後休業は請求の有無にかかわらず与える義務があります。ただし、出産後6週間を経過した職員については、一定の条件のもと、就業が認められています。

 年休は、労働日について労務の提供義務を免除するものであることから、労務の提供義務が消滅している産休中に取得することはできません。そのため、産休中の職員から年休の請求があった場合、医院は年休の取得を認める必要はありません。

 一方で、産前休業を請求できる期間に、職員が産前休業を請求せずに年休を請求した場合には、労務の提供義務は消滅していないため、医院は年休の取得を認めることになります。
 なお、産後休業は請求の有無にかかわらず、原則として就業が禁止されているため、職員から年休の請求があったとしても年休の取得を認める必要はありません。

2.年休付与日到来による消滅と付与

 労働基準法では、年休の付与日から2年を経過したときに、時効により年休は消滅すると規定されています。よって、産休中に時効を迎えた年休は消滅します。

 次に付与については、産休中に付与日が到来し、年休付与要件を満たしている場合、医院は年休を付与しなければなりません。なお、付与された年休は、産休から復帰した後に取得することが可能です。

 産休中には、一定の要件を満たすことで健康保険から出産手当金が支給されます。出産手当金は、出産のために働くことができず、給与が支払われない場合に支給されるものです。
 産前休業中に年休を取得すると、出産手当金が支給されないことがあるため、対象者には誤解のないように事前の説明が求められます。

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