医療福祉の労務情報
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文書作成日:2025/02/28
人事労務Q&A 〜所定労働時間6時間以内のパート職員に対する休憩時間〜

今回は、所定労働時間が短いパート職員の休憩時間に関するご相談です。

Q
今月の相談内容

 当院は、所定労働時間5時間30分のパート職員の求人募集を検討しています。
 正職員よりも所定労働時間が短い場合、休憩時間がなくてもよいと聞きました。
 残業が発生する可能性もあるのですが、休憩時間についてどのように考えておくとよいのでしょうか?

A-1
ワンポイントアドバイス

 労働契約上の所定労働時間が6時間以下であったとしても、残業時間を含めた実際の労働時間が6時間を超えた場合、医院はパート職員に対して、労働時間の途中で少なくとも45分の休憩時間を与えなければなりません。

A-2
詳細解説
1.休憩時間とは

 労働基準法第34条では、使用者は、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中で与えなければならないと定めています。

 また、休憩時間はすべての職員に対し一斉に与えることが原則ですが、仕事の性質上、一斉に与えることが難しいとされる医院などの保健衛生業については、交代で休憩を与えることが認められています。

2.実務上の対応

 今回のように、所定労働時間が6時間以内の場合、あらかじめ休憩時間を設けなくても違法にはなりません。
 ただし、所定労働時間5時間30分のパート職員が残業となる都度、労働時間の途中で休憩を与えることは現実的ではなく、休憩をまったく取らずに働き続けることは、集中力が切れてミスを誘発する原因となります。その他、一斉に休憩をしている職場で、正職員が休憩をする中、パート職員が業務をしているということも考えづらいかもしれません。

 これ以外に考えなければならない点として、休憩時間を設けることで必然的に拘束時間が長くなるという課題があります。パート職員の中には、育児や家族の介護に伴い、限られた時間の中で密度濃く働きたいという要望もあるでしょう。

 これらを踏まえ、例えば、所定労働時間が4時間以内の場合には休憩時間を設けないとする、実労働時間が確実に6時間以内で終わる日については、上長にあらかじめ指示を受けることで休憩時間を設けずに働くことができるといった、柔軟な対応を検討することはできるのではないでしょうか。

 休憩時間は、職員が労働から解放され自由に利用できる時間ですが、疲労を回復させ、業務の効率化やミスの発生リスクを減らすことも目的としています。
 その目的も踏まえた休憩時間の設定や運用を考える必要があります。

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